スマホ首が増加中!整体で首こり・肩こりをケア

現代社会において、スマートフォンは欠かせない存在となりました。しかし、その便利さの裏で、私たちの体には思わぬ負担がかかっています。特に、スマホを長時間使用することで引き起こされる「スマホ首」(ストレートネック)は、近年整体の現場でも非常に多く見られる症状です。今回は、スマホ首の原因とリスク、そして整体による首こり・肩こりのケア方法について、18年間の経験をもとにお伝えします。厚生労働省の考え方はこちら

整体師として18年間、数多くの患者さんと向き合ってきましたが、ここ数年で特に増加している症状が「スマホ首」です。

スマホ首とは?

本来、首の骨(頸椎)は緩やかなカーブを描いており、頭の重さを分散する役割を持っています。しかし、スマートフォンを長時間下向きの姿勢で操作し続けると、このカーブが失われ、首がまっすぐになってしまう「ストレートネック」になるのです。この状態が慢性化すると、首こりや肩こり、さらには頭痛や自律神経の乱れを引き起こします。

特に印象に残っているのは、先日来院された24歳のOLの佐藤さん(仮名)のケース。「首が痛くて夜も眠れない」「肩が重たくて仕事に集中できない」という深刻な症状を抱えていました。

問診を進めていくと、1日のスマートフォン使用時間が平均6時間。通勤時、休憩時間、就寝前と、あらゆる隙間時間でスマートフォンを使用していたのです。

スマートフォンを見るために首を前に倒し続けることで、首や肩に過度な負担がかかる状態を指します。人の頭の重さは約4〜6kg。首を15度前に傾けるだけで、首にかかる負担は2倍以上に増加するのです。

佐藤さんの場合、首を45度以上も前に倒した状態でスマートフォンを使用していました。この姿勢では、首にかかる負担は頭の重さの4〜5倍にもなります。

スマホ首の特徴

私の経験から、スマホ首による症状は以下のような特徴があります:

1. 後頭部から首にかけての張りと痛み
2. 肩甲骨周辺の重だるさ
3. 目の疲れや頭痛
4. 腕のしびれや痛み
5. 猫背や姿勢の悪化

12年前、スマートフォンがここまで普及する前は、このような症状を訴える若い患者さんはほとんどいませんでした。しかし今では、20代の患者さんの約7割がスマホ首に関連した症状で来院されます。

スマホ首に対する整体的アプローチ

当院では、以下のような段階的なアプローチを行っています:

まず、筋肉の緊張を和らげることから始めます。特に注目するのが「僧帽筋」と「板状筋」。スマホ首の人は、これらの筋肉が常に緊張状態にあります。温めながら優しくほぐしていくことで、まずは急性の痛みを和らげていきます。

次に、深層筋へのアプローチです。首の奥深くにある「多裂筋」や「頭長筋」といった小さな筋肉は、姿勢の維持に重要な役割を果たしています。これらの筋肉をていねいにケアすることで、首のバランスを整えていきます。

そして最後に、全身の骨格バランスを調整します。実は、スマホ首の症状は足の裏から背骨、骨盤まで、全身のゆがみと密接に関係しているのです。

佐藤さんの場合、この3段階のアプローチに加えて、日常生活での改善策もアドバイスしました。特に効果的だったのが、以下の3つのポイントです:

1. スマートフォンは目線まで持ち上げる
首を下げるのではなく、スマートフォンを持ち上げることで、首への負担を大幅に軽減できます。

2. 1時間に1回は首のストレッチ
簡単なストレッチを定期的に行うことで、筋肉の緊張を和らげることができます。

3. 正しい姿勢を意識する
背筋を伸ばし、顎を引いた状態を意識することで、首への負担を軽減できます。

これらの取り組みの結果、佐藤さんの症状は2週間で大幅に改善。1ヶ月後には「首の痛みがほとんどなくなった」と報告してくれました。

日常的のセルフケア

ただし、施術による改善は一時的なものに過ぎません。重要なのは、日常生活での予防的なケアです。私は患者さんに以下のような「セルフケア」を指導しています:

1. 首のぶら下げストレッチ
椅子に座った状態で、ゆっくりと首を前に倒し、30秒ほどキープ。これを1日3回行います。

2. 肩甲骨の体操
両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せるように10秒キープ。これを5回繰り返します。

3. 首の後ろ伸ばし
あごを引いた状態で、後頭部を押すように力を入れ、10秒キープ。これも1日3回行います。

スマホ首は、現代社会が抱える新しい健康課題です。しかし、適切なケアと生活習慣の改善で、必ず良い方向に向かうことができます。

18年の臨床経験を通じて、私は確信を持って言えます。予防と早期対応が、スマホ首の改善には不可欠なのです。

首や肩に違和感を感じている方は、まず自分の姿勢を見直してみましょう。そして必要であれば、早めに専門家に相談することをお勧めします。スマートフォンとの付き合い方を見直すことで、多くの方が快適な生活を取り戻せるはずです。

 

 

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