「最近、なんだか体がだるい」「ちょっとしたことでイライラする」「急に汗が出て止まらない」——こんなお悩みを抱えていませんか？
更年期は、ホルモンバランスの変化によって心身にさまざまな影響を及ぼす時期です。女性に多いイメージがありますが、実は男性にも更年期障害はあります。整体では、こうした不調に対して体のバランスを整え、自律神経の乱れをケアすることで症状を和らげるお手伝いができます。
今回は、整体による更年期障害のケアについて、私の経験を交えながらお話しします。
整体に来られる更年期の悩みとは？
先日も、50代前半の女性が来院されました。「最近、肩こりがひどくて夜も眠れないんです。更年期だからしょうがないのかなと思っていたんですが...」と、疲れた表情で語られました。実は、このようなお悩みを抱える方は決して少なくありません。
更年期障害というと、ホットフラッシュや情緒不安定などの症状がよく知られていますが、実は筋骨格系の不調も深く関連しているのです。エストロゲンの減少は、単に生殖機能だけでなく、筋肉や関節にも大きな影響を及ぼします。
特に気を付けたいのが、姿勢の変化です。更年期に入ると、骨密度の低下や筋力の衰えにより、知らず知らずのうちに猫背になりやすくなります。これが肩こりや腰痛の原因となるケースが多いのです。メディカルノートさんの更年期障害の解説はこちら
ある60代の患者さんは、「更年期が始まってから徐々に肩こりがひどくなり、整体に来る前は頭痛薬が手放せない状態でした」と話されていました。しかし、定期的な整体とご自宅でできるストレッチを組み合わせることで、3ヶ月後には頭痛の頻度が大幅に減少。「薬に頼らない生活に戻れて本当に嬉しい」と笑顔で報告してくださいました。
整体で更年期の不調をケアする方法
整体では、更年期の症状を和らげるために、次のようなアプローチを行います。
① 骨盤と背骨のバランスを整える
骨盤の歪みは、全身の血流を悪くし、自律神経の乱れにつながります。特に更年期の時期は、骨盤周りの筋肉が硬くなりやすく、腰痛や冷えの原因になります。整体では、骨盤を正しい位置に調整し、全身の血流をスムーズにします。
実際に、先ほどのお客様も骨盤矯正を行ったことで「腰の重さが取れ、体が軽くなった」とおっしゃっていました。
② 胸郭（肋骨周り）の調整で呼吸を深くする
更年期の症状として「息苦しさ」「動悸」を訴える方も多いです。これは、自律神経が乱れて交感神経が優位になり、浅い呼吸になっていることが原因の一つ。整体で胸郭の可動域を広げることで、深い呼吸ができるようになり、リラックス効果が高まります。
施術後、お客様から「息がしやすくなった」「リラックスできるようになった」というお声をいただくことがよくあります。
③ 頭・首・肩の緊張をほぐす
更年期には、肩こりや頭痛が増えることが多いです。これは、ホルモンバランスの変化によって血流が悪くなり、筋肉が硬くなりやすいからです。整体では、首・肩周りの筋肉をしっかり緩めることで、頭痛や肩こりを和らげる効果が期待できます。
特に、首の付け根にある「後頭下筋群」を緩めると、自律神経のバランスが整いやすくなり、頭痛やイライラが軽減されることがあります。
更年期の不調はすぐに改善するものではありませんが、継続的な整体ケアを受けることで、少しずつ体が変わっていきます。
先ほどの50代女性のお客様も、最初の施術後に「頭がスッキリした」「体が軽くなった」と感じていただきました。その後、月に2回の施術を続けていただいたところ、3ヶ月後には「頭痛の頻度が減り、気持ちも前向きになってきた」と喜んでくださいました。
更年期の症状は人それぞれ違いますが、「体のバランスを整える」「血流を良くする」「リラックスする」ことで改善するケースが多いです。整体は、薬に頼らずに自然な形で体を整えられるため、「できるだけナチュラルな方法で改善したい」と考えている方におすすめです。
更年期の不調を整体でケアしよう
整体は、薬物療法とは異なるアプローチで身体をケアします。特に、更年期特有の不調に対しては、全身のバランスを整えることで、自然治癒力を高める効果が期待できます。
ただし、整体だけで全ての症状が改善するわけではありません。必要に応じて婦人科での検査や治療を受けることも重要です。私の臨床経験から言えることは、整体は西洋医学的な治療と組み合わせることで、より効果的なケアが可能になるということです。
最後に、更年期障害でお悩みの方々へアドバイスをさせていただきます。不調を感じ始めたら、できるだけ早めに対処することをお勧めします。症状が重くなってからでは、改善までに時間がかかることがあります。
また、整体を受ける際は、必ず症状や生活習慣について詳しく施術者に伝えてください。それによって、より適切なケアプランを立てることができます。更年期は誰もが通る道です。この時期を上手に乗り越え、その先の人生をより健やかに過ごすために、整体を活用していただければ幸いです。
この18年間、多くの患者さんと関わる中で、私自身も常に学びを得ています。更年期障害への対応も、年々新しい知見や技術が加わっています。これからも、患者さん一人一人に寄り添いながら、より良いケアを提供できるよう、研鑽を重ねていきたいと思います